スクエアリップルハウス
北側の幅員4Mの生活道路に接道する奥行のある敷地に建つ「ハウス」である。生まれ育った実家の庭部分を分筆し家を建てることになった。
道路から続く実家への通路の奥に大きな桜の木が植わっていて、道路からよく見えて、通路が持つ奥行感がより強調されていた。
「ハウス」へのアクセスは、通路側にポーチを設けて傾斜する道路との高低差を最小限にするとともに、生家の入口の記憶を継承することとし、内部に関しても玄関土間から和室へ続く視線を確保して、通路が持つ豊かな開放感を建物内部にも組み込むこととした。
LDKと和室を正方形形状にまとめて計画し、どの位置からもお互いが見えるように配慮した。そして、水廻りや収納などの機能的な要素をこの正方形にまとわりつくようにL字状に配置し、正方形の波紋が広がるような平面計画とした。
2階の諸室も1階の正方形の真上に配置して構造的な合理性を持たせるとともに、道路や東側隣家に対してセットバックして、空間的な余白を確保した。
このように1階では生活空間である「スクエア(正方形)」を機能的空間の「L字形状の帯」で囲い、道路や隣地から物理的な距離を確保し、2階では境界からより離隔することで空間的な距離を確保した。
立体的に「リップル(波紋)」形状の平面計画とすることで「安全地帯」を確保し、敷地内にある大きな桜の木や庭などの肯定的な要素に積極的に向かうことのできる「スクエアリップルハウス」を計画した。
- 名称
- スクエアリップルハウス
- 業務内容
- デザイン監修
- 所在地
- 長野県
- 用途
- 専用住宅
- 敷地面積
- 300.00㎡
- 建築面積
- 72.87㎡
- 延床面積
- 107.09㎡
- 階数
- 地上2階建
- 構造
- 在来木造
- 施工
- 木楽ホーム株式会社
- 竣工
- 2023年3月